XSR125/155(RZ仕様)シート張り替え手順
 
 張り替え手順で使用しているシート皮は、生産ロットにより販売しているものと一部異なる場合がございます。

 シート皮をかぶせてしまえばある程度形状にフィットするため、張り替え自体はそう難しくないシートです。
 型押しの入ったシートですので、ズレや歪みにに注意して張っていきましょう。

 XSR125/155用 張り替えシート皮(RZ仕様)  商品詳細ページへ

前準備
作業時は必ず保護メガネを着用してください。

張り替えに際して外しておく部品
ベルトシートロック金具(赤〇印部分)

取り外しに必要な工具:10ミリのレンチ

ベルトシートロック金具は10ミリのナットで取り付けられていますので、ナットを緩めてワッシャ、シートロック金具、ベルトを取り外します。
ベルトは左の画像の通りにとめられています。

ワッシャがベルトに食い込んで外しにくいことがありますが、ワッシャを外す際にネジ山を傷めないようにご注意ください。
ここのナットは
緩みどめ機能の付いたUナットのため、ネジ山を痛めてしまうとナットの回りが非常に硬くなる可能性があります。

すでにネジ山が痛んでいる場合やサビが出ている場合は、「クレ55-6」などの潤滑剤を塗布してナットを緩めると良いかと思います。
張り替えやってみようのページを参考に古いシート皮を剥がします。

シート皮に付属の防水ビニールをシートにかぶせます。

防水ビニールは袋状になっていますので、必要なサイズに切り開いて使用してください。

なお、純正の防水ビニールが破れていなければ、シート皮に付属の防水ビニールを使用せずそのまま再使用してOKです。
シート皮をかぶせます。

まず前側からシート皮をかぶせて、次に後ろ側をかぶせていきます。

前側をかぶせるときは、シート先端の裏側にある出っ張り部分にシート皮が引っかからないように注意してください。

後ろ側をかぶせるときは、ググっと押さえつけるようにきつめに被せる感じになります。

かぶせたら真上から見て左右のズレやシート皮全体の傾きがないかを確認し、ズレや傾きがあるようならシート皮の位置を修正します。

  

step1 シート前後の仮止め
シート前後(部)を仮止めします。

前側中央はタッカーが打ち込みにくいので、前側の左右にタッカーを打ち込んで仮止めします。

後ろ側はタッカーが非常に打ち込みにくいので、タッカー針が刺さり切らないことが多いです。
刺さり切らずに浮いてしまった針は、次の工程で紹介する「タッカー針が刺さり切らない時は」を参考にしっかり押し込んでおいてください。

前後とも左右のズレやシート皮全体の傾きがないように注意してタッカーを打っていってください。
シート前部分の裏側です。

シートのフチとシート皮の縫い目が、おおむね沿うように位置を合わせて仮止めします。

シート先端の裏側にある出っ張り部分を避けて、左右にタッカーの針を打ち込みます。
シート前部分の表側です。

ここは仮止めなので厳密にシート先端とシート皮の縫い目が沿っていなくても、画像のような感じになっていればOKです。
シート後ろ部分の裏側です。

こちらも前側同様に
2点ほどタッカーを打ち込んで仮止めします。

生地を張る強さですが、シートのフチからシート皮の縫い目まで
が約6.5〜5cmぐらいになるようにします。
詳しくは次の画像をご参考ください。
シート後ろ部分の表側です。

シートの張り具合ですが、目安としてシート皮の縫い目からシートの端までの長さ(画像の
矢印部)が、大体6.5cmくらいになるようにしておきます。

この長さはあくまでも目安ですので、それよりも左右のズレや傾きを良く確認してください。
シートを真上から見て縫い目の見え具合を確認すると、左右で揃っているか判りやすいと思います。
画像のような感じになっていれば、これで仮止め完了です。
まだシートはたるみが大きく残っていますが、仮止めなので問題ありません。

この時点で左右にズレていないか、シート皮全体が傾いていないかを良く確認しておいてください。
もしずれているようなら、針を外して再度仮止めを行います。
ここは焦らずじっくりとズレのないように!


画像クリックで拡大表示します。

 

参考:タッカー針が刺さり切らない時は・・・
ハンドタッカーは打ち込み力がそこまで強くないため、画像の様にタッカー針が刺さり切らないことがあります。

タッカー針が奥まで刺さり切らないと外れやすいだけでなく、点で生地を押さえるため生地への負担が強くなります。

そういった不具合を避けるため、こちらの方法を参考にタッカー針を奥まで押し込んでください。
小型のソケットレンチを、刺さり切っていないタッカー針にあてがいます。

画像のソケットレンチはKTCの12ミリ用ですが、直径15ミリ前後で段差のないソケットレンチあればOKです。
タッカー針にあてがった状態の小型のソケットレンチを、指で押し込みます。

グリっと転がすように押し込むのがコツです。
タッカー針を歪ませることなくキレイに奥まで押し込めました。

奥まで押し込むと「点」ではなく「線」で生地を押さえるため、生地を傷めにくく安定した固定が可能になります。
スペース的に余裕がある場合は、この方法がおすすめです。


小型ソケットレンチを置けない場合は、タッカー針がゆがみやすい方法ですがマイナスドライバー等で角の部分をゆっくりと押し込んでください。
押し込み時に針がゆがんでしまった場合は、いったん抜いて打ち直します。

 

step2 シート中央を左右に張る
シート中央部分を、左右に張っていきます。

シート前後の段差の境目が、目で見える程度に張っていきます。

左右どちらか一方に張りすぎないように注意してください。
シート裏側です。

左右のバランスに注意し、タッカーを打っていきます。
シート中央を張ったことで、シート全体がフィットした感じになったと思います。

シート前後の段差部分の手前辺り
印部分)は、シート皮がスポンジから少し浮いた感じになりますがそれでOKです。


画像クリックで拡大表示します。

  

step3 シート後部の本張り
シート後部を本張りします。

step1で打った仮止めの針が邪魔な場合は、針を抜いて打ち直します。

ここはタッカーが非常に打ち込みにくい箇所なので、タッカー針が刺さり切らないことが多いです。
刺さり切らずに浮いてしまった針は、しっかり押し込んでおきます。


シートの後端からシート皮の縫い目までが、およそ6cmになるようにします。

シート後部を表側から見たところです。

シートのフチからシート皮の縫い目までが、約6cmになるようにします。(画像の
矢印部分)

また、縫い目が歪まずキレイなカーブになるように、左右どちらか一方に張り過ぎないように注意してください。

シート裏側です。

画像のように、シート皮の生地でヒダを作るような感じでタッカーを打っていくと仕上がりがキレイです。

ここは全体的にタッカーを打ち込みにくい部分ですが、特に中央部分はシートベースの凸部が邪魔でタッカーが打てません。

中央部分は、画像のように向きを変えてタッカーを打ち込みます。
シート後部のたるみがかなり減ってきたと思います。
縫い目が歪むと仕上がりがキレイに見えませんので、じっくりと作業してみてください。


画像クリックで拡大表示します。

  

step4 シート後部座面を張る
後部座席を左右方向に張ります。

強く張る必要はなく、わずかに残るたるみを取る程度に張っていきます。

ベルトが通る凹み部分のみ、部分的に強く張ります。
シート裏側です。

画像のような感じで一定間隔でタッカーを打ち込みます。
シート皮を左右どちらかに引き過ぎないように、左右のバランスに注意してください。

シートを真上から見て、縫い目の見え具合で確認すると、左右のズレがないか判りやすいと思います。
シート側面です。

張る目安として、シートのフチからシート皮の縫い目までが、約5.5cmになるようにします。(画像の
矢印部分)

数値はあくまでも目安ですので、数値よりも縫い目が歪まずキレイなカーブになることを優先して貼るようにしてください。
シート裏側です。

シートベースのベルトが通る部分が凹んでいますので、ある程度この凹みに沿うようにこの部分だけやや強く張っておきます。

ある程度凹みに沿っていないと、ベルトを取り付けた際にシワが寄ったりすることがあります。

わずかですが後部座席のたるみが減って、よりシートらしくなっていると思います。

ベルトの凹み部分と、縫い目の歪みにさえ注意しておけば、難しいところはないかと思います。


画像クリックで拡大します。

  

step5 シート前座面を斜め前方向に張る
シート前座面部分を斜め前方向に張っていきます。

前座面に残るたるみを取っていきますが、強く張りすぎないようにご注意ください。
シート裏側です。

シート表側のたるみが無くなるように、シート皮を張っていきます。

左右どちらかに引き過ぎないように、左右のバランスに注意してください。
シート裏側です。

印部分は、シートベースの出っ張りが干渉してタッカーが打ち込めません。
先端のダンパーゴムを外すと若干の余裕はできますが、それでもシートのフチギリギリにしかタッカーを打ち込めません。

この部分の周辺にしっかりとタッカーを打ち込むことで、シート皮を固定します。
目で見てわかるレベルのたるみが取れていればOKです。
たるみが取れていれば、ある程度ユーザーさんご自身のお好みで張り具合を調整していただいて構いません。

パツン!と張ると気持ちいいですが、少し緩いかな?ぐらいが耐久性の面では良いことが多いです。


画像クリックで拡大します。

  

step6 シート前部分の本張り
シート前部分を本張りします。

シートのフチとシート皮の縫い目が沿うように、タッカーを打っていきます。


ここはタッカーが非常に打ち込みにくい箇所なので、タッカー針が刺さり切らないことが多いです。
刺さり切らずに浮いてしまった針は、しっかり押し込んでおきます。


step1で打った仮止めの針が邪魔な場合は、針を抜いて打ち直します。
シート裏側です。

画像のように、シート先端の出っ張り部分の下にもタッカーを打ち込むことは可能です。

ただし場所が狭く非常に打ちにくいので、ハンドタッカーではなかなか針が刺さり切らないと思います。
刺さり切らない針も最後まで押し込んでやることで、しっかりと固定が可能です。
シート表側です。

画像のように、シート皮の縫い目が若干内側(タンク側)寄りになるようにすると、スッキリした見た目になるかと思います。

縫い目がガタガタして見える場合は、シート裏側の縫い合わせしろがどちらか一方に揃っていないからなので、縫い目部分をつまんでシート裏側の縫い合わせしろを一方に揃えるとキレイになります。
先端付近に残るシワ・たるみも取れて、シートの形状に沿った状態になったと思います。

おしりを乗せる座面部分がスポンジから少し浮いた感じになっているかと思いますが、目に見えるシワ・たるみがなければ問題ありません。


画像クリックで拡大します。

  

step7 バランス調整、付属品取り付け
シート全体のバランスをみて張り具合を調整します。

曲がって打ったタッカーの針やゆがんだ針を抜いて、きれいに打ち直します。

張り替えやってみようのSTEP6を参考に、余分なシート皮を切り取ります。
(くれぐれも怪我にはご注意ください。)

最初に外しておいた、シートロック金具等の付属品をを取り付けます。
カッターなどで、余分なシート皮と防水ビニールを切り取ります。

怪我にはご注意ください。

シート皮の余分をカットした後、ほつれ止めにタッカーで2点ほど止めておきます。(
〇印部分
ベルトを取り付けます。

下から、シートロック金具、ベルト、ワッシャ、ナットの順です。


※ベルトはシート皮に付属いたしません
ベルトが必要な場合は、別途「汎用シートベルトA」をお求めください。

  

step8 完成
完成です!

どうだったでしょうか?うまくできましたか?

シート皮を被せた段階でおおむねシート形状に沿った状態になるので、タッカーの打ち込みにくさを除けば難しいところは少ないシートです。
ズレなどがないように最初の
仮止めをしっかり行えば、それ以降は比較的張りやすいシートかと思います。


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斜め後ろからです。

シート先端裏側の縫い合わせしろを揃える、シート後部の縫い目を歪ませないなど、ひと手間加えると縫い合わせの線がきれいに出て仕上がりが非常に良くなります。


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実際作業されて分かりにくい所がありましたら掲示板またはメールにてお気軽にお問い合わせください。

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