VTR250(97〜08年式) シート張り替え手順

張り替え手順で使用しているシート皮は、生産ロットにより販売しているものと一部異なる場合がございます。

VTR250は前後でシートの高低差が大きく、さらに前側は左右へ大きく張り出しているため、きつく張っていく必要があります。
張り替え難易度の高いシートですが、手順に沿って作業いただければ画像の様な感じで仕上がるかと思います。

VTR250(97〜08年式) 用張り替えシート皮 商品詳細ページへ


前準備
作業時は必ず保護メガネを着用してください。

張り替えに際して外しておく部品
テールカウル(
部分)
ベルト&シートキャッチ金具部分)

取り外しに必要な工具
10ミリのレンチ、+ドライバー

テールカウルは
6箇所のタッピングビス(短)と、2箇所のタッピングビス(長)、2箇所のビス(カラーあり)を緩めて外します。カラーは無くしやすいので、紛失に注意してください。
まれにタッピングビス(長)の相手側のクリップナットが脱落することがあるので、そちらもご注意を。
ベルトとシートキャッチ金具は10ミリのボルトで共締めされていますので、2箇所のボルトを緩めて取外します。
張り替えやってみようのページを参考に古いシート皮を剥がし、防水ビニール、シート皮の順にシートにかぶせます。

防水ビニールは袋状になっていますので、必要なサイズに切り開いて使用します。
VTR250(97〜08年式)の場合、半分ではギリギリですので
片側を残して切り、大きな一枚のまま使用します。

シート先端が左右に張り出しているので、画像の
赤線の様に防水ビニールに切り込みを入れておくと、後々作業しやすいです。
防水性に余裕を持たせるため、あまりスポンジギリギリまで切り込まず、少し手前までにしておきます。

矢印についてはをご覧ください。
VTR250(97〜08年式)のシートは画像の部分(上の画像の矢印部分)の張りがかなりキツ目で、擦れて穴が開いているものが多いです。

シート皮の穴だけなら良いのですが、擦れでシートベースのフチが荒れてささくれてしまっている場合は、張り替え後も擦れ穴があきやすくなります。

荒れやささくれがあれば、シート皮を剥がした状態のときに紙やすり等で均しておきましょう。

  

step1 シート前後の仮止め
シート前後(部)を仮止めします。

シート後端から縫い合わせまで(
黄緑矢印)の長さが、約27cmになるようにします。
シート前側を正面から見たところです。

シートスポンジのカドと前側の縫い合わせが大体同じ位置に来るようにして、2点仮止めします。

ちょうどシート中央あたりに、平らな出っ張りがあちますので、そこに打ち込んでおきます。

シート後部裏側です。

前後座面の縫い合わせの境目からシート後端までの長さが約27cmになる位置まで引っ張って仮止めします。

今後張っていく段階で力がかかる部分ですので、しっかりと3点タッカーを打っておきます。

シート後部表側です。

画像の矢印部分、前後座面の縫い合わせの境目からシート後端までの長さが約27cmになる位置まで引っ張って仮止めします。

この矢印部分の長さが長いと、後の工程でなかなかシート前側のたるみ・シワが取れません。
仮止め後、この長さを必ず確認してください。
寸法を合わせて前後の仮止めが完了した状態です。

画像の様にシートスポンジの形状にはほとんど沿っていない状態ですが、この段階ではそれでOKです。

シート後部の寸法合わせだけはしっかりと行ってください。
また、シート皮が左右どちらか一方に寄っていないか確認してください。

片側に寄っている場合や寸法が異なっている場合は、針を外して再度仮止めします。


画像クリックで拡大表示します。

  

step2 シート左右の仮止め
シート左右(部)を仮止めします。

ちょうどシート中央の前後の段差のある辺りを、左右方向に張ります。

裏側に巻き込むシートの量が多いので左右のバランスに注意してください。
シート裏側です。

左右のバランスをみながら2〜3点で仮止めします。
張り具合ですが、下の画像の様にシート中央の前後の段差がハッキリ確認できるようであればOKです。

裏側に巻き込むシートの量が多いので、左右のバランスには注意してください。

何回かに分けて左右少しずつ張るか、手で巻き込むような感じで張り具合を確認して張っていくと、やりやすいかと思います。
これで仮止め完了です。

画像のようにまだまだシート座面はダルダルになっていると思いますが、それでOKです。

大切なのはシート本体に対してシート皮がずれていたり、ななめになっていないか確認することです。

ずれている場合は針を外して再度仮止めを行います。

OKですか?では本張りに行きましょう!



画像クリックで拡大表示します。

  

step3 シート前部の本張り
シート前部を本張りします。

シート皮の縫い目と、シートのフチが沿うようにします。

本張りが完了したら、Step2で打った仮止めの針は抜いておきます。

  
シート前側を正面から見たところです。

本張りが完了したら、Step2で打った中央の仮止めの針2点(画像の印箇所)を抜いておきます。

この部分は車体取り付け時にタンク後端と接触しやすいようで、純正ではタッカーの打ち込みを避けていることが多いようです。

ただし数は少ないですが、純正で打ち込んでいるものもあります。

絶対ではないですが、この部分へは打ち込まないことを推奨して作業を進めさせていただきます。
シート前側、斜め上からです。

画像の様な感じで、シート皮の縫い目と、シートのフチが沿うようにします。

縫い目を若干内寄りくらいに沿わせると、純正っぽい感じになります。

画像の矢印部分は少し形状がイビツになっていますが、スポンジが痛んでいるとこうなりやすいです。

スポンジの変形部分を紙やすり等で均せば多少マシにはなりますが、元々スポンジが薄い箇所ですのであまりオススメはいたしません。
作業される場合はくれぐれも慎重に・・・(^^;
シート前部の本張りが完了した状態です。

縫い目がキレイに沿っていると締まって見えますので、ここはじっくり作業してください。


画像クリックで拡大表示します。

  

step4 前座面張り その1
シート前座面の前寄り部分を斜め前へ張ります。

VTR250(97〜08年式)はシートの形状上、座面のたるみが多いので、かなり強く張っていきます。
シート裏側です。

ちょうどカドになった所ですので張りにくいのですが、手で巻き込むようにして、シートを強く張っていきます。

張り具合は下の画像2点を参考にしてください。

強く張ることになりますので、しっかりと4〜5点止めしておきます。
タッカー打ち込み箇所のアップです。

シート皮の裏側への引っ張り量や、タッカーの打ち込みの参考にどうぞ。

冒頭にも記載していますが、VTR250(97〜08年式)は純正でもこの部分の張りがかなりキツ目で、擦れて穴が開いているものが多いです。

擦れでシートベースのフチが荒れてささくれてしまっている場合は、張り替え後も擦れ穴があきやすくなります。
ここを張る前に、紙やすり等でささくれを均しておきましょう。
前座面を斜め前に張った状態です。

だいぶシートの形状に沿ったカタチになり、座面のたるみ、シワが少しマシになったと思います。



画像クリックで拡大表示します。

  

step5 前座面張り その2
シート前座面の後ろ寄り部分を斜め後ろへ張ります。

VTR250(97〜08年式)はシートの形状上、座面のたるみが多いので、かなり強く張っていきます。
シート裏側です。(画像上がシート前側です。)

ここもStep4と同じように、手で巻き込むようにして、シートを強く張っていきます。

張り具合は下の画像を参考にしてください。

画像の様に、Step2で打った左右の仮止め針にかぶさるようなカタチになると思います。
前座面を斜め後ろに張った状態です。

だいぶ座面のたるみが少なくなってきました。
まだ座面にはたるみ・シワがありますが、これくらいは残っていても大丈夫です。


画像クリックで拡大表示します。

  

step6 前座面張り その3
シート前座面の中央部分を左右へ張ります。

Step4、Step5ほど強く張る必要はありません。

シート裏側です。

座面中央部分のスポンジとシート皮が密着するようにします。
斜め前に張ったStep4「その1」、斜め後ろに張ったStep5「その2」ほど、強く張る必要は無いと思います。
前座面を左右に張った状態です。

座面中央がスポンジに密着し、平らになっているのが分かると思います。

平らな部分の前後はシート皮が浮いた感じになっていると思いますが、それでOKです。

座面にはまだたるみ・シワが少しありますが、これくらいは残っていても大丈夫です。


画像クリックで拡大表示します。

  

step7 シート後部の本張り
シート後部を本張りします。

シワが表側から見えないように、細かくタッカーを打ち込みます。
シート裏側です。

テールカウルの取り付け部分があってタッカーを打ちにくいですが、シワが表側から見えないように画像の様な感じで細かくタッカーを打ち込んでいきます。

仮止めの針が邪魔になるかと思いますが、仮止めの針はある程度本張りのタッカーを打ち込んでから打ち直します。
くれぐれも仮止めの針を先に抜かないように!

余談ですが、ホンダの純正シートは画像の
赤線のように、中央の針1本をタテ方向に打ってあることが多いです。
何故そうしてあるかは不明ですが、ここをタテに打っておくとちょっぴりマニアックな感じが(笑)
シート後部の表側です。

上のシート裏側画像を見ていただくと分かるのですが、わりとシートのフチギリギリにシワがあっても、この通り表からはまず見えません。

特にVTRはテールカウルも付くので、
思いのほか大雑把に張っても大丈夫だったりします(^^;
シート後部の本張りが完了した状態です。

じっくり取り組めば、ここは特に難しいところは無いと思います。


画像クリックで拡大表示します。

step8 後ろ座面を張る
シート後ろ座面を左右方向へ張ります。


シート裏側です。

強く張る必要は無いですが、タッカーが打ちにくい箇所が多いのでじっくり作業してください。

タッカーが打てないところもありますが、周辺をしっかり打っておけば大丈夫です。
詳しくは下の画像をご参考ください。
画像の矢印位置へはシートベースのテールカウル取り付け部が邪魔で打ち込めないと思います。

エアタッカーはともかく、ハンドタッカーでは打ち込めませんので、両端をややキツめに張っておきます。
シート後ろ座面を張った状態です。

タッカーが打ちにくい以外は、ここも特に難しいところは無いと思います。


画像クリックで拡大表示します。

 

step10 シート先端 左右を張る
シート先端を前方向へ張ります。

VTR250(97〜08年式)はシートの形状上、座面のたるみが多いので、かなり強く張っていきます。
シート裏側です。

シート前座面の前寄り部分にあるたるみを取るように、前方向へ強く張っていきます。

シート先端部分のアップです。

画像の様な感じで細かくタッカーを打っておきます。
シート先端を前方向へ張った状態です。

座面中央の平らな部分の前にある目で見えるたるみ・シワが、ほぼ無くなったかと思います。

シート皮は浮いた感じになっていると思いますが、高低差のある箇所なので、見えるたるみ・シワがほぼ無くなっていればそれでOKです。

座面にはまだ多少はたるみ・シワがありますが、この後の工程で取れますので気になさらずに。


画像クリックで拡大表示します。

 

step11 シート中央の本張り
仮止めの針を外し、シート中央部を斜め後ろに本張りします。
シート裏側です。(画像上がシート前側です。)

邪魔になるので、Step2で打った仮止めの針を外します。

座面に残るシワ・たるみを取るように、斜め後ろに強めに張ります。

ベルトの通る箇所はシートベースが部分的に凹んだ形状になっていますので、この部分は特に強めに張っておきます。

シート表側です。

ベルトを通る部分が画像の様な感じであればOKです。

逆にベルトを取り付けない場合は、緩めに張っておくことでここの凹みをごまかせます。
ベルト無しで張り換える場合はお試しください。
シート中央を斜め後ろへ張った状態です。

座面中央の平らな部分の前後にある目で見えるたるみ・シワが、ほぼ無くなったかと思います。

平らな部分の前後は高低差のある箇所なので、シート皮が浮いた状態になっていると思います。
純正でも浮いていますし、それでOKです。

もしまだ座面にたるみ・シワがあれば、この後のバランス調整工程で張っていきます。


画像クリックで拡大表示します。

 

step12 バランス調整
シート全体のバランスをみて張り具合を調整します。
たるみ・シワがあれば部分的に張りなおします。

曲がって打ったタッカーの針やゆがんだ針を抜いてきれいに打ち直します。

余分なシート皮を切り取ります。
くれぐれもケガにはご注意ください。

外したシートベルト、シートキャッチ金具、テールカウルを取り付けます。
バランス調整完了後のシートです。

画像の
印の部分は高低差のある箇所なので、シート皮が浮いた状態になっていると思います。

ここは純正でも浮いていますし、目で分かるようなたるみ・シワがなければそれでOKです。
シートベースのテールカウル取り付け部です。

ここはタッカーが打てないので、寸法ギリギリでカットするとシート皮が浮いた感じになってあまりよろしくありません。

他の箇所より、少し余裕を持たせてカットしておきます。
余裕がある分、テールカウル取り付け時に押さえられる部分が多くなりますので。
まずはシートキャッチ金具、ベルトを取り付けます。

シートキャッチ金具は取り付け方向を間違うと、シートベースにしっくり収まりませんので、間違うことは無いと思います。

ベルトの取り付けですが、画像の
印のところはシートベースの穴を通るかたちになります。
続いてテールカウルを取り付けます。

タッピングビスは長さの長短がありますのでご注意ください。

カラーありのビス部分については、下の画像をご参考ください。
カラーの取り付け位置等の参考にどうぞ。

テールカウルに限らずこのテの部品取り付け時は、一箇所ずつ締めこむのではなく、全てのビスを緩く締めておき、均等に締めこんでいくようにします。

6本のタッピングビス(短)でとまる所はカウルとシートベースがキチっと合うような構造ですが、タッピングビス(長)とカラーありビスのところは、多少取り付け位置に遊びがありますので、シートとカウルのすき間が均等になるように注意して締めこみます。

  

step13 完成
完成です!

どうだったでしょうか?うまくできましたか?

起伏が大きく、また部分的に強く張っていかなくてはいけない所もあり、難易度は高いシートですが、この通りちゃんと仕上がります。

まずは仮止めでの寸法合わせを確実に!


クリックで拡大します。
横方向からです。

前座面のたるみ・シワ取りがこのシートを張り替える際の一番の難所ですが、手順通りに作業を進めていただければ画像の様な感じになるはずです。

前座面の前後のシート皮が浮くのは純正もですので、お気になさらずに。


クリックで拡大します。
ななめ後ろからです。

仮止めで合わせた段階ではシート皮の縫い合わせ位置はやや後ろよりなのですが、最終的にはちょうど前後の段差の境目あたりに縫い合わせ位置が来ています。


クリックで拡大します。

実際作業されて分かりにくい所がありましたら掲示板またはメールにてお気軽にお問い合わせください。

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