96年式以降 GSX400インパルス/S(型押しあり) シート張り替え手順

 張り替え手順で使用しているシート皮は、生産ロットにより販売しているものと一部異なる場合がございます。

 型押しがありますので、比較的ズレが目立ちやすいです。
 前後のスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、力任せではキレイに張れないシートです。 
 じっくり張っていきましょう。

 96年式以降 GSX400インパルス/S 用張り替えシート皮(型押しあり) 商品詳細ページへ


前準備
作業時は必ず保護メガネを着用してください。

張り替えに際して外しておく部品
ベルト部分)

取り外しに必要な工具
5ミリのヘキサゴンレンチ

ベルトは5ミリのヘックスボルト2本外せばOKです。
シート裏側にある、シートキャッチ金具は外す必要はありません。
張り替えやってみようのページを参考に古いシート皮を剥がし、防水ビニール、シート皮の順にシートにかぶせます。

防水ビニールは袋状になっていますので、必要なサイズに切り開いて使用します。

GSX400インパルス/Sの場合でしたら半分にすれば足りるはずです。

  

step1 シート前後の仮止め
シート皮とシートベースがズレたり傾かないように注意して、シート前後を仮止めします。

シート後ろ側を裏側から見たところです。

画像の印部分のように、シートの後ろ端と、シート皮の縫い目がおおまかに沿うような位置で仮止めします。

インパルスはシートのスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、ピシっと縫い目がシートの端に合いにくいですが、この時点ではだいたいでOKです。

左右どちらかにシート皮が偏らないよう注意して、画像のような感じでタッカー打ち込んでおきます。
一点止めですとシート皮が左右にずれやすいので、2〜3点ほどタッカーを打っておくと安心です。
シート先端を表側から見たところです。

画像の
印部分のように、シート先端と、シート皮の縫い目がおおまかに沿うような位置で仮止めします。

インパルスはシートのスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、ピシっと縫い目がシートの端に合いにくいので、この時点ではだいたいでOKです。

シート前側を裏から見たところです。

こちらも後ろ側同様、シート皮が左右にずれないよう、2〜3点ほどタッカーを打っておきます。


<注意!>
シートスポンジの先端が劣化して崩れていたり、ちぎれたりしている場合、作業を進めていってもシート先端の形状がキレイに仕上がりません。

いったんシート皮を剥がし、ちぎれたスポンジの破片を接着したり、綿を詰めるなどの補修を行ってください。
参考ページ→シートスポンジを補修する!
この撮影に使用したシートも先端のスポンジがちぎれかけていたので、ちぎれた部分を接着剤でくっつけて、つなぎ目の段差を目立たなくするためにキルト芯(綿)を乗せてあります。

キルト芯(綿)はやや多めに乗せておくと、シート皮をかぶせた際に「張り」が出て、作業しやすいかと思います。

キルト芯(綿)は、必ず防水ビニールの内側に入れてください。
前後の仮止めが終わった状態のシートです。

座席部分は、シート皮が浮いた状態になっていると思いますが、この時点ではそれでOKです。
大事なのは、シート本体に対してシート皮がずれていたり、ななめになっていないかです。

真上から見て確認し、ずれている場合は針を外して再度仮止めを行います。
OKですか?では本張りに行きましょう!


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step2 前部カドを斜め前に張る
シート前部のカドを斜め前方向に張っていきます。

シート先端の側面にあるたるみが取れるように、やや強めに、斜め前へ巻き込むようにします。

片側を強く張り過ぎると、型押しが斜めにずれやすいので気をつけてください。
左右均等にバランスよく!
シート前部を裏側から見たところです。

シート皮の張り方ですが、シートのフチに指先をかけ、手のひらでシート皮を表から裏へ巻き込むような感じで張っていくと、張り具合の調節がしやすいかと思います。


強く張る必要があるので、2〜3点タッカー打っておきましょう。
シート前部を表側から見たところです。

矢印で示した部分のたるみが取れるように張ります。
シート中央の縫い合わせ部分印部)にたるみは残りますが、今はそれで不大丈夫です。

片側を強く張り過ぎると、型押しが斜めにずれやすいので気をつけてください。
左右均等にバランスよく!
シート前部のカドを斜め前方向に張った状態です。

シート座面はまだスポンジから浮いた状態のままですが、それでOKです。


この工程では、型押しが斜めにずれやすいので真上から見てズレを確認するなど、じっくり作業してください。


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step3 後部カドを斜め後ろに張る
シート後部のカドを斜め後ろ方向に張っていきます。

シート表側のパイピングが、左右どちらかに寄っていたり、ゆがんで見える事が無いよう注意してください。

ここも左右均等にバランスよく!

シート後部を裏側から見たところです。

シートのフチと、シート皮の縫い目を揃え、2〜3点ほどタッカーを打っておきます。
シートのフチと、シート皮の縫い目が画像のような感じになっていればOKです。

裏側なので表からは見えない部分なのですが(^^;
シート後部を表側から見たところです。

真後ろや真上から見て、パイピングが左右どちらかに寄っていたり、ゆがんで見える事が無いように、張り具合を調節してください。

張り具合を調節すると、裏側の縫い目が揃わない場合は、表側のバランスを優先してください。

シート後部のカドを、斜め後ろ方向に張った状態です。

ここまでの工程で、シートの四隅が張られて、全体的な形が整ってきました。

シート表側のパイピングが、左右どちらかに寄っていたり、ゆがんで見える事が無いよう真上から見てズレを確認するなど、じっくり作業してください。

まだ座面にゆるさがありますが、それについてはこれからですので、気にせずに行きましょう。


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step4 シート中央を張る
シート中央を斜め後ろに張り、座面のゆるさを取っていきます。
シート前後の段差でたるみの多い箇所なので、やや強めに張る感じになるかと思います。
シートを裏側から見たところです。

コツ、というほどではないのですが、シート皮を表から裏側へと、手で巻き込むようにするとやりやすいです。
シート座面のたるみはだいぶ取れたはずです。

型押し部分に残るたるみですが、型押しは薄いスポンジを挟み込んでいる構造ですので、たるみは多少残ります。

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step5 シート前部の本張り
シート前部を本張りします。

先端はスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、強く張るときれいな形状になりません。
ここは時間をかけて慎重に作業すると良いかと思います。
シートを裏側から見たところです。

シート先端の形状にシート皮の縫い目が沿うように、先端の形を整える感じでタッカーを打っていきます。
ここの縫い目がキッチリ沿っているとキレイに見えますので、じっくり作業してください。

張り方や先端のスポンジの状態にもよりますが、シート皮が余るときは、画像の矢印部のように皮を重ねて、タッカーを打っておけば大丈夫です。
シート前部を表側真上から、また正面から見たところです。

画像のような感じでシート先端の形が整うようにします。
縫い目が先端ちょうどより、やや裏側寄りになるくらいの張り具合だと、なだらかな先端形状になりやすいかと思います。

<注意!>
シートスポンジの先端が劣化して崩れていたり、ちぎれたりしている場合、シート先端の形状がキレイに仕上がりません。
いったんシート皮を剥がし、ちぎれたスポンジの破片を接着したり、綿を詰めるなどの補修を行ってください。
参考ページ→シートスポンジを補修する!
シート先端部のたるみやシワは無くなっているはずです。

あまり強く張ると先端のスポンジが潰れて、形状がイビツになりますのでご注意ください。


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step6 シート後部の本張り
シート後部を本張りします。

シートベースのフチとシート皮の縫い目が沿うようにします。
STEP3で打ったタッカー針が邪魔になる場合は、いったん針を抜いて、あらためてタッカーを打ち直します。

後部はスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、強く張るときれいな形状になりません。
ここは時間をかけて慎重に作業すると良いかと思います。
シート裏側です。

画像のような感じで、シートのふちにシート皮の縫い目が沿うように、タッカーを打っていきます。
ここの縫い目がキッチリ沿っているとキレイに見えますので、じっくり作業してください。

スポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、強く張るときれいな形状になりませんのでご注意を。

STEP3で打ったタッカー針が邪魔になる場合は、いったん針を抜いて、あらためてタッカーを打ち直します。
シート後部を表側から見たところです。

真後ろや真上から見て、パイピングが左右どちらかに寄っていたり、ゆがんで見える事が無いように、張り具合を調節してください。

張り具合を調節すると、裏側の縫い目が揃わない場合は、表側のバランスを優先してください。
シート後部のたるみ、ゆるい感じは、だいぶ少なくなっているはずです。

後部はスポンジがシートベースに覆いかぶさる構造のため、強く張るときれいな形状になりません。
ここは時間をかけて慎重に作業すると良いかと思います。


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step7 シート後ろ座席部を左右に張る
シート後ろ座席部分を左右に張ります。

強く張らず、シワやたるみが出ない程度の張り具合でOKです。
シート裏側です。

シートふちの角度が変わる部分は、シワを寄せる感じにタッカーを打っておきます。

ほぼ見た目的には変わっていません。
ここは強く張らずとも、シワ、たるみはほぼなくなっていると思います。


画像クリックで拡大します。

  

step8 シート前座席部を左右に張る
シート前座席部分を左右に張ります。

こちらも後ろ側同様に、強く張らず、シワやたるみが出ない程度の張り具合でOKです。
シート裏側です。

左右のバランスに注意しながら、シワやたるみが出ない程度の張り具合でタッカーを打っておきます。

ほぼ見た目的には変わっていません。
ここは強く張らずとも、シワ、たるみはほぼなくなっていると思います。


画像クリックで拡大します。

  

step9 バランス調整
シート全体のバランスをみてタッカーを打ち込み、張り具合を調整します。

曲がって打ったタッカーの針やゆがんだ針を抜いて、きれいに打ち直します。

シートの凸部など一部タッカーが入らない部分はありますが、なるべくまんべんなくタッカーを打っていきましょう。

張り替えやってみようのstep6を参考に、防水ビニール、余ったシート皮を切り取ります。

外したベルトを取り付けます。
シート裏側の、余分なシート皮と防水ビニールを切り取ります。

怪我にはじゅうぶんご注意ください。

ちなみにオルファ社の「特撰黒刃」っていうカッター刃が、やたら切れ味鋭くてオススメです(^^
シート皮の余分を切り取ったら、シート皮の縫い合わせ箇所や、パイピング箇所から縫い糸がほつれてこないように、上からタッカーを2重に打ってほつれ止めをしておきます。

ベルト固定用の穴を開け、ベルトを取り付けます。

ベルト固定穴は、穴位置を確かめ、直径8mmの皮ポンチなどをグリグリと回しながら押し当てて開けます。
ハンダゴテで溶かして開ける方法などもありますが、火傷と臭いにはご注意を。

大抵の車種は6mm径のネジでベルト固定されているのですが、インパルスはちょっと珍しくて、8mm径のネジで固定されています。

  

step10 完成
完成です!

どうだったでしょうか?うまくできましたか?

GSX400インパルス/Sは、前後の形状をうまく整えることと、型押しのズレにさえ気をつければ、あとはそう難しくなくて、張りやすいシートだと思います。


クリックで拡大します。
後ろからです。

シート形状に合わせたシート皮ですので、グイグイ引っ張らなくてもこの通りちゃんと仕上がります。
強く張りすぎると形状も崩れますので、張りすぎにはご注意を!

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実際作業されて分かりにくい所がありましたら掲示板またはメールにてお気軽にお問い合わせください。

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