ベスパ PX125/150/200 シート張り替え手順

張り替え手順で使用しているシート皮は、生産ロットにより販売しているものと一部異なる場合がございます。
年式や仕様によって、ボルト・ナット等が記載のものと異なる可能性がございますが、作業内容自体は同じです。

ベスパPX125/150/200のシートはシンプルな箱型形状ですので、型押しのズレにさえ注意すれば
張り替え作業は非常に簡単です。

ベスパPX125/150/200 用張り替えシート皮 商品詳細ページへ


付属部品の取り外し
作業時は必ず保護メガネを着用してください。

張り替えに際して外しておく部品
ベルト部分)
ダンパーゴム部分)
シートロック部分)

取り外しに必要な工具
+ドライバー(3番)
8ミリ、10ミリのレンチ

+ビスを緩め、ベルトを取り外します。
ダンパーゴムは手でこじれば外れます。
シートロックを固定している8ミリボルトを外し、シートロックを外側から引き抜きます。
シートベルトロックステーの取り外し

シートロックステー部分)の穴の奥にある、10ミリのナット2箇所(
部分)を緩めて外し、ステーを上へ抜きます。

2箇所のナットは横からレンチを入れても外せますが、非常に面倒ですので、ソケットレンチ等の奥行きのある工具を穴から差し込んでの作業をオススメします。
シートヒンジの取り外し

ヒンジを固定している3箇所の10ミリナット部分)を緩めてナットを取り外します

中央のボルトが引っかかるため、ナットを外してもそのままシートヒンジを外すことはできません。
中央のボルト部分)は奥へ押し込める構造になっていますので、ドライバー等でこのボルトを押し込んでおき、その間にシートヒンジを上へ引き抜いて外します。

最初だけ少しタイミングをはかってグイッと引き上げてやる必要がありますが、ある程度までヒンジを引き上げれば、ヒンジ自体が中央のボルトを押さえるような形になるので、外すことができます。

ココのところは実際作業されたら、すぐに感覚がつかめるかと思います。
張り替えやってみようのページを参考に古いシート皮を剥がし、防水ビニール、シート皮の順にシートにかぶせます。

防水ビニールは袋状になっていますので、必要なサイズに切り開いて使用します。

ベスパPX125/150/200のシート場合、半分にしたものでは余裕のないギリギリの寸法となりますので、袋の片側を切り開いて大きなシート状にしてのご使用がオススメです。

  

step1 シート前後を張る
シート前後をタッカーで張っていきます。

左右のズレや傾きに注意します。
画像の矢印部分、シートスポンジの先端と後端にシート皮の縫い目が来るようにします。

箱型のシート形状のため、シート皮を被せてやれば大体の位置は合いますので、そこから微調整する感じでタッカーを打っていけばうまくいくかと思います。

シート皮のズレや傾きが無いように注意します。
シート前部の裏側です。

スポンジのカド(先端)と、シート皮の縫い目を合わせるような位置で固定します。

シート皮にかかる力を分散させるために、画像の様な感じで2〜3点タッカーで止めます。

ヒンジ固定のボルトがあるのでタッカーを打ち込める部分が狭いですが、画像の様にしっかり打ち込んでおきます。

張る強さ、具合は上の画像をご参考下さい。
シート後部の裏側です。

こちらもスポンジのカド(後端)と、シート皮の縫い目を合わせるような位置で固定します。

シート皮にかかる力を分散させるために、画像の様な感じで2〜3点タッカーで止めます。

シートロック穴があるのでタッカーを打ち込める部分が狭いですが、画像の様にしっかり打ち込んでおきます。

張る強さ、具合はふたつ上の画像をご参考下さい。
画像のように側面のシート皮がまだかなりだぶついた感じになりますが、それでOKです。

大切なのはシート本体に対してシート皮がずれていたり、ななめになっていないか、確認することです。

ずれている場合はいったん針を外して、この時点でズレ・傾きを修正しておいてください。


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step2 シート中央を左右に張る
シート中央を左右に張ります。

左右一方に引っ張り過ぎないように注意してください。
シート裏側です。

左右のバランスに気をつけて、1〜2点タッカーを打っておきます。

張る強さですが、たるみが出ない程度でOKです。
あまり強く張り過ぎると、側面の型押しが不揃いになって不恰好に見えますのでご注意ください。

ちょうどシートベースのフチの部分を掴むような格好で、シート裏側にシート皮を手で巻き込むようにすると、張り具合を確認できて作業しやすいかと思います。
左右一方に強く張ってしまわないように張り具合に注意すれば、特に難しいところは無いと思います。


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step3 シート前カド部分を張る
シートの前カド部分を、斜め前方向に張っていきます。

ここも左右のバランスにご注意ください。
シート裏側です。

左右のバランスに気をつけて、タッカーを打っておきます。

張る強さですが、たるみが出ない程度でOKです。
あまり強く張り過ぎると、側面の型押しが不揃いになって不恰好に見えますのでご注意ください。

ここもシート皮を手で巻き込むようにすると、張り具合を確認できて作業しやすいかと思います。
シート先端部がだいぶスッキリして見えるかと思います。

ここもそう難しいところはないと思いますので、側面の型押し歪みに注意してじっくりと作業してください。


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step4 シート後ろカド部分を張る
シートの後ろカド部分を、斜め後ろ方向に張っていきます。

ここも左右のバランスにご注意ください。
シート裏側です。

左右のバランスに気をつけて、タッカーを打っておきます。

張る強さですが、たるみが出ない程度でOKです。
あまり強く張り過ぎると、側面の型押しが不揃いになって不恰好に見えますのでご注意ください。

ここもシート皮を手で巻き込むようにすると、張り具合を確認できて作業しやすいかと思います。
この段階でほぼシートとしての形になっていると思います。

ここもそう難しいところはないと思いますので、側面の型押し歪みに注意してじっくりと作業してください。


画像クリックで拡大表示します。

  

step5 シート前座面を左右に張る
シート前座面を左右に張ります。

左右一方に偏らないように注意します。
シート裏側です。

左右のバランスに気をつけて、タッカーを打っておきます。

たるみ・浮きが残らない程度に軽く張っていくだけですので、特に難しいところは無いと思います。

あまり強く張り過ぎると、側面の型押しが不揃いになって不恰好に見えますのでご注意ください。

ここもシート皮を手で巻き込むようにすると、張り具合を確認できて作業しやすいかと思います。
ここも特に難しいところは無かったと思います。
強く張れば硬い感じに、ユルく張れば柔らかい感じになります。

このあたりは好みの差もありますので、走行後に再度張り具合を調整してみるのも面白いんじゃないかと思います。

こういうちょっとした調整ができるのも、自分で作業するメリットのひとつだと思いますし(^^


画像クリックで拡大表示します。

  

step6 シート後ろ座面を左右に張る
シート後ろ座面を左右に張ります。

左右一方に偏らないように注意します。
シート裏側です。

左右のバランスに気をつけて、タッカーを打っておきます。

たるみ・浮きが残らない程度に軽く張っていくだけですので、特に難しいところは無いと思います。

あまり強く張り過ぎると、側面の型押しが不揃いになって不恰好に見えますのでご注意ください。

ここもシート皮を手で巻き込むようにすると、張り具合を確認できて作業しやすいかと思います。
こちらも特に難しいところは無かったと思います。
前座面同様、強く張れば硬い感じに、ユルく張れば柔らかい感じになります。

このあたりは好みの差もありますので、走行後に再度張り具合を調整してみるのも面白いんじゃないかと思います。

こういうちょっとした調整ができるのも、自分で作業するメリットのひとつだと思いますし(^^


画像クリックで拡大表示します。

  

step7 バランス調整&シートヒンジの取り付け
シート全体のバランスをみて張り具合を調整します。

曲がって打ったタッカーの針やゆがんだ針を抜いて、きれいに打ち直します。

このシートではほとんどないと思いますが、張り替えやってみようのstep6を参考に、余分なシート皮と防水ビニールを切り取ります。
バランス調整後のシート裏側です。
タッカー打ちのご参考にどうぞ。


画像クリックで拡大表示します。
シートヒンジの取り付け

まずシートヒンジの左右どちらか一方の取り付け穴に、ボルトを通しておきます。(
印)
ナットで締めこむ必要はありません。通しておけばOKです。

印部分を軸にして矢印方向にヒンジを押し込みます。
ヒンジ自体で中央の横向きのスタッドボルトを押し込みながら、もう一方の取り付け穴に、ボルトを通す形になります。

ちょっとコツがいる作業ですが、ヒンジを少し浮かしてやってみるとすぐにコツはつかめると思います。
シートヒンジをナットで固定します。

中央の横向きのスタッドボルトのところ(
印)は、つば付きの10ミリフランジナット、他の2箇所は普通の10ミリ6角ナットです。

フランジナットがない場合は、ワッシャを入れておけば問題ありません。

  

step8 シートロックの取り付け
シートロックの取り付け

画像の赤線の形に、シート内側からカッター等でシート皮に切り込みを入れます。
マジック用でマーキングしてから切り込みを入れたほうが確実です。


くれぐれも切り過ぎ、ケガにはご注意ください。
シート表側から、はさみやカッター等でシート皮をスポンジの穴形状に合わせてくり抜きます。

内側からくり抜けば確実に見えますが、内側からでは非常に作業しにくいため、外側からの方が確実に作業できるかと思います。

画像の様にほぼズレ無しで穴が開けばベストです。
多少ずれていても生地の伸縮で何とかなりますので、気にしないでOKです。
シートロックステーを固定します。

シートロックステーをシートにはめ込み、10ミリのナット2箇所印部分。穴の奥です。)を締めこんで固定します。

このとき、シートロックステーのダンパーゴム取り付け穴とシートベースのダンパーゴム取り付け穴の位置印部分が合っているか確認しておいてください。

2箇所のナットは横からレンチを入れても締め込めますが、非常に面倒ですので、ソケットレンチ等の奥行きのある工具を穴から差し込んでの作業をオススメします。

シートロックを外側から挿し込みます。

8ミリボルト3箇所印部分)でシートロックを固定します。

年式や仕様によって、固定のボルトが記載のものと異なる可能性がございますが、作業内容自体は同じです。
ベルト、ダンパーゴムを取り付けます。

ベルトは+ビスで締めこんで固定します。
(画像のシートはネジ穴が不良でしたので、ナットで固定しています。)


ダンパーゴムは手でねじ込んで取り付けます。
奥まで入りにくいときは、クレ55-6やラスペネなどの潤滑剤やグリスなどを薄く塗布すれば、すんなり押し込めるかと思います。

  

step9 完成
完成です!

どうだったでしょうか?うまくできましたか?

シートロック関連部品やヒンジの取り外しが少し面倒ですが、シート皮の張り替え自体はびっくりするくらい簡単だったと思います。



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後ろからです。

型押しがあるので部分的に強く張ってしまうと、ズレや傾きが目立ちます。
じっくり作業すればズレや傾きは充分防止できますので、ぜひ挑戦してみてください!


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実際作業されて分かりにくい所がありましたら掲示板またはメールにてお気軽にお問い合わせください。

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