バリオス 純正シート皮張り替え手順

バリオス純正シート皮で張り替えを行う際のご参考にどうぞ。
純正のシート座面はスポンジが挟み込んでありますので、張りでシワをとり切るのは難しいです。
が、あのもっちり感のある座面は難しくとも挑戦するに値する感触だと思います
型押しがしっかり入ったシートのため、左右のズレが目立ちますので注意しましょう。


前準備
ちょうど切れているシートがありましたので、純正シート皮の構造の説明などを。

シート表皮と裏地(赤矢印)で座面の薄スポンジを挟んで溶着で止めてあります。

これがもっちりした座面の感触を生み出しています。
個人的にカワサキのシートはここらのさじ加減が絶妙だと思います。
薄スポンジのおかげで、スポンジ表面が多少荒れていてもごまかせますし。

これもそうですが、古いシートですと裏地が硬化して割れていることが多々あります。(
赤矢印が裏地です)
作業時は必ず保護メガネを着用してください。
張り替えに際して外しておく部品

ベルト(
印)
シートキャッチ金具・前(
印)
シートキャッチ金具・後(
印)

取り外しに必要な工具
10ミリのレンチ
+ドライバー(3番)


まず左右の+ビスを緩めてベルトを取り外します。
シートキャッチ金具はそれぞれ10ミリのナットで取り付けられていますので、4箇所ナットを緩めて取り外します。


張り替えやってみようのページを参考にシート皮を剥がします。

おそらく割れた裏地がスポンジのあちこちに刺さっていると思いますので、これを取っておきます。

純正シートは溶着接合ですので、防水ビニール無しで大丈夫です。

  

step1 シート前後の仮止め
シート左右がずれないように中心位置を確認し、シート皮をタッカーで仮止めします。

後ろ、前の順で仮止めします。

シートベースの○印のあたりに平らになった部分がありますので、そこにタッカーを打ちます。

シート皮の引っ張り具合ですが、画像を参考にしてください。

強く引っ張りますとパイピングが後ろに来過ぎてしまいますのでこのくらいで。


クリックで詳しい拡大画像を表示します。

前側はパイピングとシートベースのフチを合わせて仮止めします。

クリックで詳しい拡大画像を表示します。

  

step2 シート左右の仮止め
シート左右を仮止めします。
パイピングがちょうどシートベースの段差あたりの位置(緑線)にくるように、タッカーを打って仮止めします。


クリックで詳しい拡大画像を表示します。

これで仮止め完了です。

画像のようにシート座面はダルダルになっていると思いますが、それでOKです。

大切なのはシート本体に対してシート皮がずれていたり、ななめになっていないか、確認することです。
パイピングで確認すると分かりやすいと思います。

型押しがあるので左右のズレが目立ちます。
ずれている場合は針を外して再度仮止めを行います。

OKですか?では本張りに行きましょう!

  

step3 シート前部の本張り
シート前部の左右をタッカーで仮止めします。
シート皮のふちにある縫い目状の型押しをシートベースのふちに沿わせて止めていきます。

型押しが少し(2〜3mm)内側に入るくらいにします。


針が入りにくいところですので、タッカーをしっかり押し付けて打ち込みます。
座面のシワは薄スポンジが挟み込まれていることもあり、強く引っ張っても取れないと思います。

シート中央あたりのきついシワは、シート皮の保管状態が悪かったせいでできたシワです。

シート皮はなるべく畳まずに保管しましょう。

座面が分厚いこの手のシートは、クセがつくとなかなか取れません・・・。

  

step4 シート後部の本張りその1
1,2の順で張ってゆきます。

1:シート後部のカドを張ります。
  
2:シートベースに凸部があるあたりを左右に張ります。
 

シートを真上から見て、左右のパイピングがずれないように確認して張ります。

画像のようにシート後部後部中央がたるんでいると思いますが、ココは後ほど張りますのでこのままで。

たるみを取ろうとしてカドをきつく張ってしまいますと、パイピング位置が下がって不格好になってしまいます。

1〜2点ほどで止めておきます。

画像のあたりで左右に張ります。

ココもシートを真上から見て、左右のパイピングがずれないように確認して張ります。

シート後部はそんなにきつく張らずとも大体のたるみは取れると思います。


1〜2点ほどで止めておきます。
シート後部はこの後もう一度張ることになりますので、左右のズレだけ気をつけておいてください。

この時点でシート後部をガッチリ張ってしまうと、次の工程(ベルト穴のあたりを張ります)での調整が難しくなります。


シート中央あたりのきついシワは、シート皮の保管状態が悪かったせいでできたシワです。

  

step5 シート中央の本張り
シート中央を左右に張ります。

ベルト穴のあたりは凹んでいるため、どうしても皮がたるみます。

たるみを軽減するために、わざとシート皮を重ねてシワを作ります。
ベルト穴周辺のたるみを取っていくとどうしても皮が余ってしまい、どこかで調整しなければいけません。

今回は、パイピングの根元に重ねるようにわざとシワを作って調整します。

余った分をパイピング側へ巻き込むような感じで重ねます。
パイピングの根元ですと重なった部分も目立ちません。

画像クリックで重ねた部分のアップを表示します。
ベルトの通るところは多少シワが残ると思いますが、ベルトである程度抑えられるので画像くらいのシワでしたら問題ないと思います。

  

step6 シート後部の本張りその2
シート後部を本張りします。

仮止め、step4で打った針が邪魔になる場合は抜いて打ち直します。

シートの端からパイピングまでが、約3cmになるくらいにします。


クリックで裏側を表示します。
画像ではあまり変わっていないように見えますが、実際は後部がすっきりした感じになりました。

あとは前側です!

  

step7 シート前部本張り
1,2の順にシートを張って、タッカーを打ち込んでいきます。

2はシートベースの形状上、部分的にタッカーが打てないところがあります。

その場合は打てないところの周囲を少し強く張るか
浮き上がり防止に両面テープ等で固定します。
パイピングのカドにできるシワを取ります。

強く引っ張ればシワを完全に取れるのですが、そうするとパイピングが下がりすぎてバランスがおかしくなります。

カドはタッカーを打ち込みにくいですが、しっかりタッカーを押し付ければきちんと打ち込むことができるはずです。

クリックで拡大表示します。

ほぼ完成です。

細かなシワよりも全体のバランスを優先したほうが、最終的にきれいに仕上がります。

  

step8 バランス調整
シート全体のバランスをみて張り具合を調整します。

曲がって打ったタッカーの針やゆがんだ針を抜いて、きれいに打ち直します。


外したシートキャッチ金具とベルトを取り付けます。
ベルトのビスを通す穴を開け、ベルトを取り付けます。

シートキャッチ金具の取り付けは画像を参考ください。

後ろ側のシートキャッチ金具は、前後方向に位置をずらせるようになっています。
シートの閉まりがイマイチ、という場合はココで調整できます。

座面のシワですが、薄スポンジが挟まれているためどうしても残ってしまうはずです。

時間がたつにつれシワは少なくなっていきます。
(step7から一日たった状態がこの画像です)


  

step9 完成
完成です!

どうだったでしょうか?うまくできましたか?

バリオスは座面にシワが残るので上手くいったかどうか分かりにくいです。

使用するにつれ、シワは馴染んで無くなりますのでご安心を。

クリックで拡大します。
後ろからです。

何とかしてシワを取ろうと引っ張り過ぎますと、パイピング位置が下がって不格好に見えますのでご注意ください。



クリックで拡大します。


実際作業されて分かりにくい所がありましたら掲示板またはメールにてお気軽にお問い合わせください。

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